イソップ寓話「カラスと水差し」
を知っているかな?
このお話は、喉の渇いたカラスが
水差しに小石を落とし、
見事水にありつく様子
が描かれている。

専門家は、鳥や霊長類の
認知能力を測るテストとして
この逸話のような装置を使用している。
このテストで、動物が因果関係
を学習し、その知識を応用して
問題を解決できるかどうか
知ることができるのだ。

最近の研究でアライグマが
このテストにチャレンジした。

 アライグマはなんと、
カラスと水差し問題を
解決できるばかりか、
ルールの裏をかいて
報酬を得る個体がいる
ことも判明したのだ。

 

肉食哺乳類代表として選ばれたアライグマ

 これまで、肉食哺乳類が
この手法でテストされた試し
はなかった。
そこで目をつけられた
のがアライグマだ。

先行研究では、工夫をこらして
問題を解決するなど、
アライグマの知能が
イエネコを上回ることが
明らかにされていた。
また水を恐れないため、
水の性質について
本能的に理解している
可能性もある動物だ。


Raccoons Have Passed an Ancient Intelligence Test by Knocking It Over

好奇心旺盛で認知能力の高いアライグマ

米ワイオミング大学博士課程の
学生ローレン・スタントン
(Lauren Stanton)氏らは、
アライグマ8匹に対して、
キノコを浮かせた水の入った
筒とさまざな大きさの石を
用意して、カラスと
水差し問題にあたらせた。

ほとんどのアライグマは
これに興味津々で、
実際に実験器具に触れた。
中には石を箱や巣穴に
隠してしまうアライグマもいたという。
こうした行動は実験とは
直接関係がないが、
認知の重要な要素
である好奇心の強さを
証明するものだ。

アライグマのうち2匹が
石を筒に入れてキノコを
得る方法を覚えたので、
新たに重さ(つまり浮力)が
異なる物も混ぜて課題
にあたらせた。
これはアライグマが重さと
水位の上昇との関係を
理解しているかどうか
確認するための実験だ。

実験中の動画はこちらのオンラインサイトで見ることができる。

予想の斜め上をいっていたアライグマ

「研究では、アライグマが
新しい問題に直面しても
解き方を考案できることが
実証されました。
時には私たちが予想もしない
方法でやってのけます」
とスタントン氏。

実験中、アライグマの
1匹は筒のてっぺんに登って
前後にゆすり、倒して
中のキノコを手にした。
また2匹は浮きを水面で
じゃぶじゃぶ上下させ、
波でキノコを手の届く
高さまで上げて手にした。

研究チームの意図通りに
課題をクリアしたのがたった
2匹だけだったため、
アライグマの認知能力と
道具の利用能力については
限定的な結論しか
出されなかった。
しかし図らずも彼らの
創意工夫が浮かび上がる
結果となった。
これも重要な認知能力である。

イソップ寓話のような
実験を動物にやらせると、
種によってそれぞれ
異なるやり方をすることがある。
「今回の研究はそれを
思い出させてくれました」
とスタントン氏はコメントしている。

via:livescience / springer など/ translated by hiroching / edited by parumo

やはり個体差というもの
は大きいもので、
賢い子とそうでもない子、
てきぱきした子とおっとりした子、
人間界と一緒だね。
もちろんどれが良いと
いうわけではなく、
みんな違って
多様性ってやつだね。

賢くてもかわいくても特定外来生物、触るな危険!飼育は違法

日本では1977年に
アライグマを題材とした
アニメが人気となり、
ペットとして多くの
アライグマが輸入され
るようになった。
ところが成獣となり
飼いきれなくなって
野外に捨てられたり、
賢いがゆえに、
飼育檻から逃亡する
ケースが続出し、
野生化したアライグマが
問題となっている。

繁殖力が強く
日本に天敵がいないため、
すでに多くの都道府県で
自然繁殖が確認されている。
農作物や家屋へ
侵入するなどの被害が
深刻化しており、
特定外来生物に指定されている。

学術研究などの例外を除き、
アライグマの飼育・譲渡・輸入
は原則禁止だ。
販売や野外に放つことも
厳しく禁じられている。
勝手に日本に連れてこられた
アライグマも被害者と言えば
被害者なのだが駆除の
対象となっている。
アライグマを見かけたら
最寄りの市役所もしくは
町村役場に連絡しよう。

つい先日もアライグマ4匹を
許可なく飼育した後に
逃がした大阪の女性が
書類送検されたという
ニュースが話題となっていたね。